2000/10

 10/31(火)
■昭和61年に出版された、篠山紀信「作家の仕事場」を見る。文字通り、50人くらい作家の仕事場の写真が数多くあるのだが、安倍公房のところには「万船さくら丸はワード・プロセッサーを使って執筆された」との一文があり、アヴァンギャルドの旗手、公房がキーボードに向かう写真が添えられている。昭和61年といえば、今から18年前だ。他の人たちは、全員、原稿用紙にペンである。時代は変わった。
■夜、脚本を進める。
 10/30(月)
■S高校で久し振りに授業。二年生は、水曜から修学旅行だ。昨日から急に冷え込む。今年は紅葉がとても綺麗だという。
 10/29(日)
■午後を大きくまわった時間に起きる。天気が悪い。洗濯と掃除。昼、スパゲティー、夜は鯖を焼いて食べる。
 10/28(土)
■昼、新宿スペースゼロで、「ラフカット2000」を。30分程度の作品を、休憩をはさんで4本。こういう企画は、ほとんどある一定の枠の中にとどまるものになりがちだし、実際にそうだったが、3話目のケラさんのものだけは、思わず唸ってしまった。ショーマの南口さんが激しく胸を揉まれていたが、あれはあれでよかった。しかし、二回目の同じ俳優の胸揉みシーンは余分じゃないか。まあ、こればかり問題にするのもどうかと思うけどね。
■東中野「十番」でタンメン。日本シリーズも巨人の4連勝で終了。
■で、脚本の方だが、今初稿を書いていて、朝方半分書き終える。自分で言うのもあれだけど、書くの早いなあ、俺。煙草が切れたので、MD忍ばせて、大音量で音楽を聴きながら、聖路加病院の脇を通って、歩いて10分ほどのコンビニへ。普段はかなり面倒臭いけど、仕事はかどってるし、日曜の朝だし、小雨降ってるし、まったく気分いいぜ。
 10/27(金)
■下北沢駅前劇場でCAB DRIVER「明日は天気になる」。劇場に向かう階段で、多分初日開演前で緊張した面もちの演出のいのべさんに会い、OFFOFFの方ですか?と言われ、いやいや違いますよ、と答え、劇場に入ると、すでに満席で桟敷席しかなく、おまけに劇場の空調が故障してやけに暑かったが、最後まで楽しく見る。青年団の福士さんが、おもいっきりヒロインでちょっと驚くが素敵な衣装だった。終演後、Ortの増田さんと美味しくビールを飲みながら色々話す。
 10/26(木)
■S高校は今日も授業がなく、夕方から国分寺で授業だった。この「夕方から仕事に出掛けなければいけない」という状況における時間の使い方が自分はとても下手だと思う。それまで何をするにも今ひとつ中途半端なような気がして、結局何もしない。だからこういう時は、早めに家を出て、移動をしちゃって、それで喫茶店などに入って、本を読んだり、授業の準備をしたりして過ごすのだ。事実今日だって、驚くほど早い時間から国分寺にいた。移動しちゃえば落ち着くのだ。だから問題はいかに移動するかにあり、落ち着かないのは「移動しなくてはならない」という脅迫観念にあるような気がしてならない。
 10/25(水)
■ビデオで、手塚眞監督「白痴」を見る。あまりの素晴らしさに唸る。久保田さんが出ているらしいとは知っていたが、やっと見た。安吾をまた読みたくなる。夜、吉祥寺Star Pine's Cafeでreset-N「MARKET」。客入れ中にいつも居場所のない私は、グラス片手に上演を待つ夏井さんを見て、あ、酒飲んじゃえばいいんだと思うのだった。
 10/24(火)
■中間テスト二日目にして、担当する全クラスの試験が終了した。伝票提出は月曜なのだが、ささっと採点し、伝票に記入して各担任に提出。これで今週の仕事は終わり。中間テストはあと二日続くが、試験監督はもうない。週末にかけてじっくり戯曲に取り組もう。
■天気がいいので、二時過ぎに自宅に帰り家事に専念する。
■夕方再び赤羽でS高校数学科の懇親会。色々話す。これはやはり、教師ばかり出てくる芝居を一度はやろうと決める。二年以内にやる。決めた。
 10/23(月)
■S高校でテスト監督があり、職員室で明日の中間テストの問題を作り、昼食を取ってから家に帰る。ボーっと雨の降る景色を見ながら、とうとう「あこがれ」の脚本に着手。プロローグを一気に書く。最近の中では、一番しっくりくる出来である。
■と、ここまで書いてアップしたのだが、今寝る前にふと日本劇作家協会のHPで新人戯曲賞の選考結果が出ていて、ドキドキしながら見る。カンガルーと稲妻で望んだ今回も、二年連続一次審査での敗退である。応募193本→19本。フラジャイルの小里さんは最終に残っていらした。おめでとうございます。応援しています。詩森さん、来年こそ!なーんて。
 10/22(日)
■特にやることのない日曜。やることがない、と言っても、「今日中にやること」がないのであって、「長期的にみればやることはある」という状況。暇といえば暇だし、忙しいといえば、忙しい。だから、テレビで日本シリーズをボーっと見たりしているのだけど、あれだけ強いと言われていたジャイアンツよりも、ダイエーのしたたかな強さだけが目立っているような気がして仕方ない。そういう私は、ジャイアンツのファンなのだが、リーグ優勝の時から、嬉しくもなかったし、興味も関心も薄れているのだ。日本シリーズも、だから今いち興味がない。負けても悔しいとも思わない。世間がON云々と騒ぐほどに私の心は遠ざかる。これはなぜか。
 10/21(土)
■またしても、夕方2時間もかけてビーフシチューをつくる。
■結構前から、フォントがゴシック体しか使えず、ウインドウの表示もずっとおかしくって、そのままにしておいたのだが、時間があることをいいことに、MicrosoftのHPを検索して、そのまま指示通りttCacheというファイルを削除。すぐに直った。この2ヶ月間、台本もその他の文章も、プリントアウトするのはすべてゴシック体だった。これで中間テストの問題も、作れる。
 10/20(金)
■昼過ぎ、近くの区民プールで泳ぐ。久し振りに行ったら料金が500円に値上がっていたが、場内には自分を含めて5名ほどしかいなく、ほとんど貸し切り状態であり、これで500円ならものすごく安いではないか。
■ほとんど知らない劇団の方から公演のダイレクトメールがあり、そしてほとんど知らない制作の方のメッセージに、自分のとこの役者を次回公演出演の候補者にして欲しいとあったが、困る。
■雨である。サザンの最近の唄に、「〜いつの日も、雨〜」という歌詞があるけど、あれはよく考えると、ものすごく好きだ。
 10/19(木)
■S高校で授業後、国分寺で授業。肉体的な調子がよく、疲れない。久し振りに爽快感があった。週末は来年の脚本のことをじっくり考えようと思っている。いいアイディアがいくつかあるので、早く書いてみたい気分なのである。年末のガーディアンガーデンの企画のこと、ワークショップの次のこともちょっと考えなくては。やることはたくさん。一緒に考えてくれるスタッフが欲しい。そんなわけで、募集してます。是非。
 10/18(水)
■S高校で授業。東京では木枯らし一号が吹いたらしく、どうりで寒いわけだ。冬の匂いがした。こうなんていうか、この匂いを嗅ぐと、寂しい気分になる。何でだろう。最近、そろそろ新作に取りかかろうと思っているが、この寂しい感じがきっと出るだろうな。そう考えると、夏の暑い時期に書かれたものと、冬の寒い時期に書かれたものとでは、内容に何らかの違いがあるのだろうか。少なくとも私にはありそうだ。他の人はどうなんだろう。そんなことを考えていると、ものすごく眠くなってきた。
 10/17(火)
■S高校で授業。午後の授業で顎の辺りを触られ「あ、大人の髭だ」と騒がれる。
■下北沢駅前劇場でTHE SHAMPOO HAT「カフェ・モンテカルロ」終演後、赤堀さんに「こんなくだらないものを・・」を恐縮されるが、とても面白かった。
■アジアカップをテレビで観戦。ウズベキスタンの監督の悲痛な表情が一番印象に残った。
 10/16(月)
■S高校で久し振りに授業。文化祭だ、体育祭だで、ないクラスは20日も授業がなかったのだ。気がつけば、来週はもう中間テストである。それが終わると修学旅行。行事の秋である。
 10/15(日)
■昨日は夜から、ワークショップの解団式を兼ねて、最後の宴会があった。それは朝まで続き、3次会が終わり、みんな池袋の街へと消えていった。私はそれを見届けから、家に帰り、死んだように眠った。
■夕方、ビーフシチューを2時間かけて作る。高校の先輩からメールをもらい、このアドレスがあり、くだらないとメールにあったが、本当にくだらない。
 10/14(土)
■下北沢スズナリへ、THEガジラ「アーバンクロウ」を見に行く。
 10/13(金)
■洗濯をしたりしてゆっくり過ごす。体調もずいぶんよくなった。
■夜、太田さんと目白のドトールで決算。アンダーグラウンドカフェの感想メールを何通かもらう。ありがたい。
 10/12(木)
■アンダーグラウンドカフェは、昨日無事に千秋楽を迎えた。感謝。
■次のことをぼちぼち考えている。とりあえず、来年の脚本だ。
 10/10(火)
■初日である。一番の心配事は、今回初舞台の連中が、本番の空気に戸惑い、芝居ががらりと変わってしまうことだったのだが、目に見えてのそれはなく、無事に昼夜とも終了した。劇場の方、受付スタッフの方のご好意に甘えてばかりで本当に申し訳なく思う。
■ワークショップ公演ということで、知り合いの演出家、役者からの応援メールを多数いただいているし、そして実際に来てもらっている。本当に力強く、ありがたいと思う。感謝。
■信頼するTさんから、いい感想をもらって大変嬉しい。
■明日で公演は終わりだけど、この流れは何となく続いていきそうで、嬉しい。芝居最中にこんなに嬉しいと思うことなど、本当に始めて。
 10/9(月)
■仕込み。問題なく、場当たりまで終了。
■明日はいよいよ初日。夜の回の客入れが大変心配である。
 10/8(日)
■昼前、目白で受付を手伝っていただくYさんと打ち合わせ。その後、音響機材の積み込みを手伝い、巣鴨へ。二回通し稽古。
■業務連絡 10日 20:00~/11日 18:30~の回はおかげさまで予定枚数終了しました。当日券は必ず発行いたしますので、詳しくはお問い合わせください。
ユニークポイント 070-5008-7040  アイピット目白(ロビー) 03-3951-6011
 10/7(土)
■昼、東長崎で通し稽古。青年団の能島さんが遊びにきてくれ、いいアドヴァイスをくれる。夜は、巣鴨に移動して、ダメだし。いよいよ本番が近づいてきた。
■10日(火)20:00開演のチケットはおかげさまで完売いたしました。
 10/6(金)
■昼から千川で、夜巣鴨に移動して通し稽古。公演終了までトップページを変更。チケット売り切れ間近。まだの方、是非お早めにご予約ください。オンライン予約は公演前日までご利用いただけます。10日20:00の回が、もう少しで予定枚数を終了しそうです。
 10/5(木)
■S高校で6限だけ授業。国分寺へ移動し、授業。二年生が一気に5人くらいやめてしまって、多分進路の関係だろうけど、ちょっと寂しい。稽古は最後の休み。明日から本番まで、昼から夜まで暇はない。
 10/4(水)
■S高校は体育祭のリハーサル、ただ雨だったら授業有り、ということだった。朝、雨が降っていて、こりゃついてねえと思いS高校に向かうが、着くと校内が異様に静かなのである。気がつけば雨もやんでいる。近くの運動場でリハーサルは予定通り行われているらしい。俯きながら、帰宅。授業がなけりゃ仕事はない。
■家で本を読んだり、明日の塾の教材を作ったりして稽古まで仕事することに。
■アゴラ劇場から大世紀末演劇展のリーフレット原稿が送られてきて、校正して返す。芸術文化振興基金から募集要項が送られてくる。
■夜、駒込で通し稽古。山路さんが遊びにきてくれて、そのまま結構な時間まで飲む。色々話す。
 10/3(火)
■午前中、音響の井出さん宅へ行き、SE録音のお手伝い。マンションの管理人室のシャッターを上げたり、下げたり、叩いたりした。ワイヤレスマイクなので、井出さんは部屋にいるわけで、他人が見たら完全に変な人である。
■若い声の女性から問い合わせの電話があって、「どういう芝居か」と聞かれて、どう答えていいのか分からず聞くと、「お笑いか?」「どこかの大学出身か」と聞かれ、どちらでもないと答えると、「真面目な芝居か」と言われ、面倒なので、そうです、と答えた。「お笑い」でなければ「真面目」という発想は単純だが、でもきっとほとんどの人は、そんな風に思っているのだろう。
■夜、稽古を休みにして、何人かで青年団の能島さんが出てる、元祖演劇乃素いき座を観に、アゴラ劇場へ。緊張感ある作品。「紙風船」を思い出す。青年団はアメリカで公演があるそうで、彼女も行くらしい。いいな。で終演後、全員でアイピット目白の下見。芝居の感想も兼ねてちょっと飲む。
 10/2(月)
■S高校は文化祭片づけで、六限だけ授業。2時20分から50分だけ。
■夜、駒込で稽古。ある俳優に、お菓子を食べながらあるシーンをやってもらったら、急に時間がスムーズに流れ始めた。笑った。水を得た魚じゃなくて、菓子を得た役者である。
 10/1(日)
■十月になってしまった。気がつけば今年もあと三ヶ月である。この三ヶ月にしなければいけないことを考えると、ぞっとする。先月分はこちらから。
■昼からずーっと駒込で稽古。19時くらいから通す。もうあと少しである。