2002/9


 9/28(土)
■2月の台本を、ようやく、というか、やっとというか、書き直している。この演目をやるのは、今度で3度目だけれど、俳優も異なれば、作者としての意識も興味も少しずれているところもあり、全面的になおすことにした。
■やりだすと早いもので、昨日と今日で、半分進む。ラスト近辺をかなり変更する予定なので、これからはそうもいかないと思うけど、作業をしながら、やっぱりこのモチーフは好きだな、と思う。

■自分が好きだから再演をするわけではないが、好きなものを上演できるのは素直に喜びに値する。稽古が楽しみでならない。

■そのあいだをぬって、今日も五反田に風琴工房の受付を手伝いにいく。よその劇団の受付を手伝うなんて経験は、考えてみるとほとんどない。もしかしたら、初めてに近いかもしれない。
 9/27(金)
■S高校で授業のあと、銀行やら、郵便局をまわり、風琴工房をみに、五反田へ。合宿までついていったので、思い入れがないといえば嘘になるけど、それを差し引いても、とてもいい作品だった。それなのに動員はぜんぜん伸びていないらしい。えてしてこういうものではあるけれど、芝居というのは二度と観ることができない稀有な表現だ。今週の日曜までなので、時間があるひとは、観ておいたほうがいいと思う。
 9/25(水)
■S高校で授業のあと、今日も風琴工房の手伝いにいく。昨日にまして人がいない。会場の入り口に立って、お客様を誘導。すぐ先には若い警察官が立っていた。交通安全週間だからだと思うが、1時間のあいだには何も違反はなかったようだ。軽くストレッチをしていたので、真似してアキレス腱などをのばしてみる。風が冷たい。あやうく風邪をひきそうになったので、すぐに帰る。暖かいものを食べる。
■都バスの運転手が誰も乗客がいないのをいいことに、信号待ちのあいだに、何か歌っていた。口の開きかたからみると、ずいぶん大きな声で歌っているのがわかり、なんだか面白い。
 9/24(火)
■S高校で授業のあと、来年のことで、三村さん、桜井さんと打ち合わせる。三村さんは来月ロシア公演に行くそうだが、いまだ詳細が決まっていないらしい。大丈夫なのだろうか。
風琴工房は初日。人がいないということで手伝いにいく。さすがにデザインセンターである。すこし迷う。迷宮のようだ。
■夜、ジャイアンツ優勝。
 9/22(日)
■文部科学省のすすめる教育改革について、現場の教師の9割が「不満」ということだ。信じられない。驚くのは、「不満である」という事実ではなく、9割という数字だ。この数字は普通ではない。異常である。9割の教師が不満な改革とは、いったい何だというんだ。
■だいたい9割といえば、10人に9人、100人に90人、1万人に9千人のことである。それだけの人が不満なことは普通「よくない・間違った・ダメな」と考えるのが妥当だ。
■芝居のアンケートで9割の人が「つまらない・面白くない」とあれば、それはダメな作品と考えるべきで、続けるにはよっぽどの根拠と、我慢強さと、論理性が必要だろう。

■文部科学省を批判するのは意味がないように思う。問題なのは、なぜこのようなことになってしまったのか、という構造にあるのではないか。官僚政治を嘆くのは簡単だけれど、教育というのは国家の根底をなす問題だ。この国に住む人間として、本当に心配で不安である。
 9/21(土)
■ライオンズが優勝を決めた。面白いのは、そのあとのスポーツニュースにうつる選手たちの地味さだ。あきらかにサッカー選手とは雰囲気が違う。まあ、深夜にテレビカメラの前に連れて来られる選手には同情するけれど、もう少し気を使ってもいいかもしれない。
■こんな気のぬけたビールみたいな優勝だったけれど、それでも選手たちは本当に嬉しそうだった。あんだけ喜べるということは、素敵だと思う。
 9/20(金)
■S高校で授業。

■風琴工房のお手伝いで、2tトラックを運転し、調布にある高津へ。予想はしていたものの、連休前の金曜日で道はすごく混んでいた。成増まで2時間ちかくかかってしまう。それで成増で荷物を降ろして、また来た道をもどるのだった。それにしても、運転は孤独だ。レンタカーのトラックではAMラジオしか聴けない。タバコを馬鹿みたいに吸う。それぐらいしかやることがないからだ。トラックの運転は、孤独とのたたかいだな。プロは凄いよ。なにごとも、やってみると、プロのすごみがわかる。

■地図をみないで勘で走ったが、高津を一度通り過ぎてしまった以外、一度も迷うことなく、行き着いた。なんとなく達成感がある。昔、大阪で、前の日に地図を何回も確認して、しかも助手席に地図をもったものがいたにもかかわらず、高速を下りる場所を間違えことがある。あれはへこんだ。おまけに、車は4tだった。Uターンもままならない、結構な大きさで、しかもエアブレーキだった。

■一生、大阪で車に乗るのはやめようと決意した。運転も乱暴だし、信じられないような路上駐車をするし。二重駐車は当たり前、三重駐車もあった。
 9/18(水)
■S高校で授業。秋晴れ。教室はいたって静か。こういう日に、授業をしながら外を見ていると、こうなんていうか、自分の高校時代を思い出す。その風とか匂いがなんともいえない。僕の高校生活はとても面白いものだったのだ。

■もう10年以上も前だけれど、ふとしたきっかけで思い出す風景はいくつもある。

■夜は、スズナリへTHE SHAMPOO HAT。

■色々更新しました。
 9/17(火)
■S高校でいつものように授業。外は嫌な天気。教室は騒がしい。どうかしている。

■家に帰り、急ぎの仕事をしていると、「そういえば五反田団は今公演中なのではないか」とふと思い、サイトでチェックすると、公演中であった。急いで準備をして、アゴラへ。マチネをみる。

■渋谷で時間を潰したあと、再びアゴラへ。制作ワークショップも今日で最終日である。最終日だというのに、なんとも身体がだるく、すぐに帰る。詩森さんからレポートを頼まれたので、詳しくはそちらをみてもらいたいが、まだ書いていない。
 9/11(水)
■一度目の9・11。最初は「二度目の」と書いたが、訂正する。あれから初めて迎える9・11だ。だったら一度目の9・11なのである。

■一年前はこの家に住んでいなかった。あの映像を見たのは目白の部屋だった。今年も残暑が厳しい。一年前も蒸し暑かったと記憶している。相変わらず日本経済は低調で、自殺する人も多い。中央線は頻繁にとまり、私は高校生に数学を教える。戯曲を二本書いた。「水の中のプール」と「ペリカンの群れ」という作品だ。いったい芝居は何本観たのだろうか。記録などしていないので、正確にはわからない。

■何度か嫌な思いをし、しかしそれ以上に嬉しいこともあった。ユニークポイントは劇団になり、公演の予定もぎっしり詰まっている。とまっている時間はなく、日々忙しい。

■それでも一年前のあの日を忘れたことはない。世界は相変わらずそこにあり、私はその世界に生きている。

■テレビの報道特番など糞食らえだ。まるで興味なし。裏話も、因果関係も、噂話も、何も私に与えてはくれない。

■風琴工房の詩森さんに呼ばれて、短い朗読劇を書いた。上演は明日、9月12日。9・11に想を得た作品だ。こう書くと、まるで私は、9・11に関して、人より優れた分析力と表現力があるように見えるだろうが、正直、何も分かっていない。誰かと議論をすれば負けるだろうし、その程度のことしか考えていないのかと、軽蔑さえされるかもしれない。

■しかしこれでいいと思っている。そもそも何を議論するんだ?議論することなど何もないじゃないか。

■世界は戦争の真っ只中にいる。誰も助けてはくれない。誰もが納得するストーリーは存在しない。ささやかだ。個人の力など、あまりに小さい。薄々感じていたことを、9・11が、証明した。

■でも表現は、いつもそんな個人から始まる。そのことを信じよう。作品をつくろう。この営みを続けていこう。そんなささやかな個人の決意をここに記す。

■今日は31回目の私の誕生日である。
 9/10(火)
■S高校で授業。
■やるべきことは沢山あるのだが、どうも落ち着かない。2学期が始まったばかりで、身体が慣れていないというのも大きいだろう。
■夜は制作WSでアゴラへ。グループディスカッション中心だったので、やることはあまりない。帰りの原付は、半袖だとやや寒く、秋の訪れを感じる。
 9/9(月)
■S高校で授業のあと、国分寺へ。また授業。
■昨日、ずっと運転をしていたので、身体がガチガチになっている。
 9/4(水)
■夜、久しぶりにテレビで野球中継を見てしまった。桑田の投球に感動する。「毎日の努力を怠らないように頑張る」というインタビューにも胸を打たれる。17年間もプロでやるということは、そうなんだ。日々の努力なのである。
 9/3(火)
■二学期の授業が始まった。約50日間の夏休みも、終わってみればあっという間である。時間とお金は、本当にあっという間になくなる。生徒も、こちらも、やや緊張のスタートだ。

■授業を終え、近くのファミレスでピースワンデイの台本を書き直す。朗読を前提として台詞を書くのは初めてだけど、楽しい。出来上がったものは、説明的で、ちょっとどうかと思うような台詞もあるのだが、今回のような朗読劇には必要ではないだろうか。。それは通常の舞台に比べると、舞台から発せられる情報量が少く、台詞に頼る部分が多いからだ。つかり逆を言えば、面白い戯曲が必ずしもリーディングとして面白くなるとは限らないことを意味する。戯曲とリーディングはまったく違う性質のものなんじゃないかという気がしてくる。最近では戯曲のリーディングというのも盛んに行われているけども、うかつにリーディングなどを企画してはいけない。

■夜はアゴラへ。制作WS。平田オリザさんのレクチャーを3時間たっぷりと聞く。制作者は基本的にいらない、という発言に共感する。無理して頼んで制作者を入れても、いいことはないからな。経験上、100パーセントそうだ。

■そういえば平田さんの戯曲をリーディングで上演するとどうなるんだろうか。ほとんど内容がわらないと思うが、さて。
 9/2(月)
■一日中、洗濯などの、身のまわりのことに従事する。あっという間に夕方になり、夜になった。何もしていないのに、なぜだ。