日韓の俳優22名が出演
のんで、たべて、ほほえんで、ふれあうまでの、ものがたり

私たちは五年前、初めての韓国公演を行いました。そしていわゆる「言葉の壁」「国民性の違い」に直面しました。やっとこさ公演を終え日本に戻るとき、もう二度とこんな大変な旅はしたくないという思いと、もうちょっとやってみたいという思いが入り混じりながら帰国したのを覚えています。それから五年がたって、あのとき感じた「壁」や「違い」はなくなったわけではありません。だけど少なくとも「壁」や「違い」が障害ではなくなりました。むしろだからこそ知ろうという気持ちがわいてきます。あなたと私は違う、だから知りたい。大変だからとあきらめなくて、本当によかった。この五年間やり続けてきた韓国演劇人との作品づくりは、私が演劇を続け、これからも続けていくための動機を確実に与えてくれました。

とはいえ可能性を共に信じ、伴走してくれる劇団メンバーがいなければ何もできません。普段は言わないので、せめてこの場で言っておこう。ありがとう。

そして、韓国演劇人たちの情熱にはいつもパワーをもらいます。参加してくれた俳優諸君。みなさんの明るさには、いつも助けられました。

今回は22名、劇団はじまって以来の大所帯です。サッカーワールドカップと時期が重なったからでしょうか、いつも以上にチーム力を意識しながらの稽古だったと思います。このお芝居が、どうかみなさんの心に届きますように。

いやあ、なにもかも大変な作品づくりでした。座・高円寺の空間も手ごわかったし、22人も出てたし。いまもこのときの韓国の俳優たちとは、仲良くさせてもらっています。
（文　当日パンフレットより／山田）