政治家の演説、著名人のスピーチ、大学入学式での祝辞、中学校の校則など、さまざまな言葉を翻訳者たちの言葉として引用し、上演しました。
コロナ禍のなか、1年以上ぶりに、対面での公演が実現しました。
詩人の長田弘さんはエッセイの中で「わたくしたちは日本という国に生まれたと思っていますがそうではなく、日本語という言葉のなかに生まれたのです。」と書いています。
普段の生活で私たちは当然のように言葉でコミュニケーションをとっていますが、長田さんがおっしゃる通り、言葉は私たちが暮らす世界を形作るものです。
今はSNSを中心に名もなき言葉たちが私たちの生活に溢れているような気がします。そんな言葉の海を泳いでいると、ときどき金属片のような言葉に思いかけずに触れ、深い傷を負ってしまうこともあります。
その傷からは血が流れることもありますが、言葉とは、表現とはそもそも、そんな金属片のような存在であるはずです。
この一年もたくさんの言葉が流布しましたが、次々と流れていくだけなので、いったんそれをせき止めて滞留させることも必要です。
滞留させた水からは臭いがします。どんなにいい言葉でも止めておくと臭いがでます。
今日の作品は時間の流れを堰止めた水溜まりの中で、その臭いと一緒に過ごしていただくようなものです。遠い言葉も近い言葉も、言葉とみなさんとの間に横たわるものを感じながらご覧いただければ幸いです。
(文 ごあいさつ/山田)
Photo gallery
Movie
Cast / Staff
古市裕貴 山田愛 西山仁実
受付 露木凛 小林大峰
劇団員応援 ナギケイスケ 北見直子 古澤光徳
舞台撮影 半田武祢夫
主催 一般社団法人ユニークポイント