ユニークポイント公演
カンガルーと稲妻

2000年6月16日(金)〜19日(月)
ザムザ阿佐ヶ谷
作・演出 山田裕幸
出演 山路誠 久保田芳之 小林洋平(青年団) 峰野勝成 新本一馬(タイプス) 須藤正三 宮城未蹴 あさみななこ

 何かが変わる瞬間に興味を覚えます。例えば、結婚を決意した瞬間、友達の死を知った瞬間、別れを決めた瞬間、人は精神のすべてをかけて、その瞬間と向き合うと思います。逃げることは可能ですが、やはり私は受け止めたい。でも具体的にどう向き合っているのかは、多分自分以外の人には分からないし、そんな状態にあることすら、気付かれないかもしない。自分の精神はこんなに激動しているのに、世界は今日も変わらずそこにある。自分だけが孤立してしまったように感じる。でも、もし世界が変わることがあるのなら、広がっていくことがあるのなら、その瞬間しかないだろうと思うのです。その様子はきっと力強く、美しいはずで、無限の可能性を私に感じさせてくれる。戯曲をなぜ書くのか、演劇をどうして選ぶのかといえば、やはりその瞬間を見られるかもしれない可能性と、観客と共有したい好奇心と欲望が、私の作品を創造するエネルギーなのだと思っています。(当日パンフレットの文章より)
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