5deer

59 ごじゅうきゅう

作・演出 山田裕幸

#2025年6月14日〜16日

#ひつじノ劇場

少年野球の試合とそれを見守る大人たちの人間模様が、試合と同時進行で描かれました。

 5人の目線の先には、野球の試合に夢中になっている少年たち。
 もうひとつの人生も、後悔も。浮かんでは消え、ここを離れることができない。


 今、僕は国内12球団の監督の名前を何人挙げられるだろう。ジャイアンツのスタメンの名前も知らない。ペナントレースの順位もわからない。大谷がHRを打てば嫌でも目に飛び込んでくる、その程度だ。そんな自分に、この国で少年時代を過ごしたひとりの男性の姿を見る。ゴールデンタイムに地上波でジャイアンツ戦が常に放映されていたあの世代が抱える思い出の話しだ。野球はごく自然と身近にあるものだった。少年はジャイアンツの野球帽を被っていたものだった。さすがに王、長嶋の現役時代の記憶は定かではないが、長嶋茂雄さんの死去にふれたTVニュースからも、十分にあの時代の熱狂が伝わってきた。
 都会から地方へ移住を検討している若い世代がもっとも不安に思うことは何かご存じだろうか。あるアンケートによると約4割の人が「人間関係への不安」を第一に挙げるそうだ。近所の人との関係、地域コミュニティーへの参画、学校PTAなどへの活動、祭への参加など。そういうものはすごく大切だと思うが、気持ちはよくわかる。なぜなら私も、移住者の一人だからだ。そうしたときに該当地域に劇場があることは魅力的には映らないだろうか。地縁でも血縁でもない、緩やかな縁で人々がつながっている感じ。
 本作で描かれるシゲさんと夏川のような関係が、いろいろなところに生まれると、幾分この世も平和になると思うし、今後の高齢化社会にはそういった信頼関係が大切になっていくのではないか。ボール拾い、うさぎ跳び、千本ノック、大リーグボール養成ギブス……おそらく野球の現場もずいぶん変化しているはずだ。負のイメージで、たくさんのまだやわらかい萌芽を刈り取ることのない未来を、心がけたい。
 今日の芝居も楽しんでいただけると嬉しいです。
(文 当日パンフレットより/山田裕幸)

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Media

Cast / Staff

シゲ・・・ ナギケイスケ
夏川・・・ 山田愛
木崎・・・ 古澤光徳
男・・・ 古市裕貴
女・・・ 西山仁実



美術、照明 ナギケイスケ
スチール 半田武祢夫
受付 勝岡彩乃、鈴木桃子、神谷由紀子、中村美佳、鈴木恵、澤田明日花、鈴木由佳、葛谷綾子、あかり、さくら
劇団スタッフ 河野悟、北見直子、水田由佳
劇場ロゴ制作 新出睦(ememデザイン室)
主催・企画・制作 一般社団法人ユニークポイント